- 最近、世界中でトコジラミの問題が深刻化しています。
かつては先進国でほぼ絶滅したと考えられていたこれらの小さな害虫ですが、
フランス、韓国、そして日本を含む多くの国々で大量発生し社会問題となっています。
トコジラミは夜間に人の血を吸い、強いかゆみや不眠などの症状を引き起こすためわたしたちの生活に大きな影響を与えています。
では、絶滅したと考えられていたトコジラミがなぜ蔓延しているのでしょうか?
それは今回蔓延しているのは
昔と同じ特徴の『トコジラミ』ではなく『スーパートコジラミ』だからなのです。
今回はスーパートコジラミの特徴や蔓延の理由、それに対する効果的な対策と予防方法について詳しく掘り下げていきます。
スーパートコジラミの特徴
トコジラミとスーパートコジラミの違い
トコジラミにスーパーがついていますが、両者にどのような違いがあるのでしょうか。
それは、スーパートコジラミは殺虫剤が効きにくいという点です。
その他見た目の部分や症状には違いはないようですが、現在流行っている分とわかりやすいようにスーパートコジラミと表現します。
スーパートコジラミの特徴:目で確認できる大きさ?
スーパートコジラミの特徴
大きさと色: 成虫の体長は約5mmから8mmで、褐色をしています。肉眼で確認できる大きさです。
体型: スーパートコジラミは丸く扁平な体型をしており、羽はありません。
分類: スーパートコジラミはシラミ目ではなく、カメムシ目に属します。
生態: スーパートコジラミは夜行性で、日中は明るい場所から逃げる習性があります。
これらの特徴から、スーパートコジラミは目で確認できる大きさの害虫であり、自分自身でその存在に気づくことが可能だとわかります。
スーパートコジラミに噛まれた場合の症状は?
スーパートコジラミに噛まれた場合の症状
赤っぽい発疹: スーパートコジラミに噛まれると、赤っぽい発疹ができることがあります。初めて噛まれた場合アレルギー反応がないためかゆみを感じないこともありますが、個人差があります。
強いかゆみ: 噛まれた部分に強いかゆみを感じることが多いです。かゆみの程度は個人によって異なります。
紅斑(こうはん): 噛まれた部分に紅斑、つまり赤い斑点が現れることがあります。
蕁麻疹の症状: 体質によっては、蕁麻疹のような症状が出ることもあります。
清潔に保つことが重要: 噛まれた場合は、刺された部分を洗って清潔に保ち、冷やすことで炎症を抑え、かゆみを和らげることが推奨されます。
スーパートコジラミに噛まれた症状は個人差が大きいため、症状が重い場合や改善しない場合は医療機関を受診することをお勧めします。
赤みは2週間近く消えないことが多いようです。
スーパートコジラミの生息場所
- ベッドや布団周辺: スーパートコジラミは就寝中の人を吸血しやすいベッドや布団の周辺に潜む傾向があります。
- 家具やカーペットの隙間: 扁平な体型をしているため、家具やカーペット、床や壁の継ぎ目、畳のへりなどの隙間に潜んでいます。
- 暗くて狭い場所: トコジラミは暗くて狭い場所を好むため、ブラインドやカーテン、衣類や鞄、コンセントプレートの中、書籍などにも潜むことがあります。
- 木製ベッドの裏など: 昼間は部屋の壁や柱の割れ目、木製ベッドの裏などに潜伏していることが多いです。
- 寝具・マットレス、じゅうたん: 寝具、ベッド、マットレス、じゅうたんなど、さまざまな場所に潜んでいることがあります。
スーパートコジラミは自宅・ホテル問わず生活空間に密接に関連しており、夜行性の為就寝時に人間に近づきやすい場所に潜む傾向があります。
スーパートコジラミの世界状況
世界中での相次ぐ被害報告
以下の国々での被害が顕著に報告されています。
フランス: 2024年のパリオリンピックに向けてフランス、特にパリでスーパートコジラミの被害が目立っています。「トコジラミ・パニック」と呼ばれるほどで、学校の休校が相次ぐなど深刻な影響が出ています。
韓国: 韓国でもスーパートコジラミの被害が増加しており、防除作業が行われています。
日本: 日本でもスーパートコジラミの被害が増加しており、東京都福祉保健局によると相談件数は20年前に比べて10倍以上に増加しています。
今回ご紹介した国だけでなく、世界的な問題として広がっているようです。
コロナ収束後の旅行ブーム
スーパートコジラミの蔓延理由にはいくつかの要因が組み合わさって考えられます。
グローバルな復活
過去20年間でスーパートコジラミの「世界的な復活」が見られています。
移動と拡散
スーパートコジラミは荷物、衣類、家具などの感染したアイテムを介して広がります。隠れるのが得意で、人々の移動によって簡単に拡散します。
耐性の増加
従来の殺虫剤が効かなくなり、駆除が困難になっています。
COVID-19パンデミック後の増加
COVID-19による移動の減少中は一時的に減少しましたが、その後、人々が再び旅行を始めるとスーパートコジラミの数が再び増加しました。
つまり、アメリカやヨーロッパ、韓国内で蔓延した耐性が強くなったスーパートコジラミが、コロナ収束と共にスーパートコジラミが蔓延した国からの移動、スーパートコジラミが蔓延している国への移動が簡単になりました。
荷物や衣類にくっついてきて、そのまま自国へ持ち帰った為世界中で蔓延してしまったということです。
日本のトコジラミの歴史
日本には江戸時代からトコジラミが生息していました。
戦後、殺虫剤の普及や生活環境の改善によって一時は絶滅寸前まで駆除が進みましたが、約10年前から再び増加傾向にあります。
一昔前にDDTなどの殺虫剤で駆除された結果、日本からはほぼいなくなりましたが、殺虫剤に強い抵抗力を持つスーパートコジラミが海外で発生し、今世界中で猛威を奮っています。
日本へのトコジラミの再侵入は、国際的な人の移動や交流の増加、特にインバウンド観光客の増加に関連している可能性があります。
旅行者の荷物や衣服にくっついて移動することが多いため、国際的な移動の増加がスーパートコジラミの拡散に影響を与えていると考えられます。
スーパートコジラミの問題は国際的な移動の増加と殺虫剤への耐性の発達によって、世界的な問題となっています。
スーパートコジラミの対策と駆除方法
スーパートコジラミへの対策に効果があるとされている方法を順番にご紹介します。
①適切な殺虫剤を使用する
スーパートコジラミを見つけた際、または予防として撒く際に一般的な殺虫剤には耐性を持つため、特定の成分を含む効果的な殺虫剤を選ぶ必要があります。
プロポクスルやメトキサジアゾンを含む殺虫剤が効果的な場合があります。
②適切な虫除けスプレーを使用する
ブロフラニリド(メタジアミド系)などの成分が含まれる製品は、ピレスロイド系が効かないスーパートコジラミにも効果があるとされています。
③スチームクリーナーの使用
殺虫剤を使用したくない場合は、スチームクリーナーを活用することもできます。
80~100℃の高温蒸気でスーパートコジラミを駆除することが可能と言われています。
④高温乾燥機の活用
スーパートコジラミは高温に弱いため、高温乾燥を利用した駆除方法が有効だと言われています。寝具や衣類を高温で洗濯し、乾燥機で乾燥させることが効果的です。
いま人気の乾太くんをご紹介しましたが、早くて一度にある程度の容量が可能な乾燥機がオススメです。
⑤専門家への相談
スーパートコジラミの駆除は難しいため、問題が発生した場合は専門の害虫駆除業者に相談することをお勧めします。専門家は適切な駆除方法を提案し、効果的に対処できます。
⑥予防対策の徹底
スーパートコジラミの侵入を防ぐために、旅行から帰宅した際のスーツケースの管理、中古品の購入時の注意、家具や寝具の定期的な点検など予防対策を徹底することが重要です。
スーパートコジラミを1匹見つけた場合、本当に1匹しかいない場合もありますが
多くの場合は他にもいる可能性が高いので、一度に徹底的に行う必要があるようです。
まずは自宅にスーパートコジラミがいるかどうか確認したい!という場合は、一度トコジラミホイホイを設置するのもオススメです。
スーパートコジラミに関するQ&A
みんなが気になっている疑問をQ&Aでまとめました。
スーパートコジラミはスーツケースにつくことが多いようです。帰宅後は、旅行から持ち帰ったスーツケースをスチーマーで滅菌し、衣類や荷物をすぐに洗濯して乾燥機でしっかりと乾燥させることが効果的です。そうすると、もしトコジラミが付着していた場合でも駆除することができます。
ハッカ油のような自然由来の忌避剤がスーパートコジラミに対して効果的とはいえないようです。
耐性がついたスーパートコジラミにはあまり効果的といえないようです。
スーパートコジラミはペットに潜み続ける可能性は低いようですが、外出から帰宅した際にペットを注意深くチェックすることが大切です。
スーパートコジラミについてまとめ
トコジラミが耐性がついたスーパートコジラミとして復活してしまうなんて・・。
ただ肉眼で確認できる大きさということですし、殺虫剤や家電も進化しているので適切な対処をしていれば自宅で悩まされるということは少ないのではないでしょうか。
といっても海外からの旅行客は増える一方ですし、日本からも海外へ行って持って帰って来てる可能性も高いです。
なので日本ではこれからも蔓延が続くことが予想されます。
もし噛まれてしまうと強いかゆみを引き起こし、睡眠障害の原因にもなりますので徹底的な予防が必要となってきますよね。
殺虫剤などで予防することも大切ですし、もし身の回りの布団や衣類、布類でスーパートコジラミを見つけたら今回ご紹介した対処法でやっつけてやりましょう!