一般的に猫吸いとは、人が猫の身体に顔を埋めて猫の匂いを嗅ぐ行為を指します。
よくSNSの動画でその映像が流れてきたりしますよね。
ただ一見愛くるしい行為に見えますが、人間にとって健康上のリスクが伴う可能性があるんです。そして人間だけでなく、猫にも影響があります。
今回はなぜみんなこれを行うのか、そしてこの行為がもたらす可能性がある健康リスクについてご紹介します。
また、この「猫吸い」が人間と猫の両方に及ぼす影響について深く掘り下げていきます。
猫吸いの危険性
「猫吸い」とは、猫の体を吸う行為を指します。
これは猫の毛やフケを吸い込むことによりアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、危険とされています。
特に、猫アレルギーを持つ人にとっては、重いアレルギー反応を引き起こすリスクがあります。また、猫の皮膚や毛には細菌や寄生虫が存在する可能性があるため、吸い込んでしまうと健康上のリスクを伴います。
さらに、猫にとってもこの行為はストレスの原因となり得ます。猫は自分の体を人に吸われることに不快感を覚えることがあり、これがストレスや不安を引き起こす可能性があります。
猫吸いで死亡リスクの可能性
猫吸いで死亡とは?
「猫吸いで死亡」という表現ははっきり言って誇張表現です。猫を吸う行為が直接的な死亡原因となることはほとんどありません。
しかしアレルギー症状や感染症になるリスクはあり、実際に確認もされています。
重度のアレルギー反応
猫アレルギーを持つ人が猫の毛やフケを吸い込んだ結果、重度のアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こし、適切な治療が行われなかった場合最悪のケースでは死に至る可能性があります。
感染症
猫の毛や皮膚には、人間に感染する可能性のある細菌や寄生虫が存在することがあります。非常に稀ですが、重篤な感染症によって命に関わる状況が発生する可能性は否定できません。
猫吸いで感染症とは
トキソプラズマ症
トキソプラズマ・ゴンディという寄生虫によって引き起こされる病気です。
猫はこの寄生虫の主な宿主であり、この寄生虫がいた場合便にオーシストを排泄する為、猫吸いによって吸い込む危険があります。
トキソプラズマ症の多くの場合、症状は軽微または全く現れません。
しかし免疫系が弱っている人や妊婦は、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
妊婦が初めて感染すると胎児に影響を及ぼすことがあり、流産、死産、または先天的な障害の原因となることがあります。
症状には、筋肉痛、リンパ節の腫れ、発熱などが含まれることがあります。重症の場合、脳や他の臓器に影響を及ぼすことがあります。
猫ひっかき病
バルトネラ菌によって引き起こされる感染症で、猫のひっかきや噛みつきによって感染することが多いですが、猫の唾液に触れることで感染する可能性もあります。
猫ひっかき病は一般的に猫には無害ですが、人間には感染する可能性があります。
症状は、感染した部位の赤み、腫れ、時には水ぶくれが現れることがあります。
また、リンパ節の腫れ、発熱、倦怠感、頭痛などの全身症状が伴うこともあります。症状は通常、傷を受けてから数日から数週間後に現れます。
サルモネラ感染症
猫が生肉や生の食品を食べた後、その糞便を介してサルモネラ菌が人に感染することがあります。
主な症状
- 下痢: しばしば水様性で、重症の場合には血便を伴うこともあります。
- 腹痛: 感染部位である消化管に炎症が起こるため、腹痛が生じます。
- 発熱: 感染に対する体の免疫反応の一環として発熱が見られます。
- 吐き気と嘔吐: 消化器系の炎症により、吐き気や嘔吐が起こることがあります。
リングワーム
皮膚に感染する真菌によって引き起こされる病気です。猫の毛や皮膚に触れることで感染する可能性があります。
主な症状
- 皮膚の発疹: 通常、赤くて円形の発疹が特徴で、中央が少しクリアになることがあります。
- かゆみ: 感染した部位にかゆみを伴うことが多いです。
- 頭皮の感染: 頭皮に感染すると、脱毛や白い鱗屑(フケのようなもの)が生じることがあります。
- 爪の感染: 爪に感染すると、爪が厚くなり、変色することがあります。
これらの病気は猫の体を直接口で吸うことによって感染するリスクは低いかもしれませんが、猫との密接な接触を通じて感染する可能性はあります。
なので猫との接触時には適切な衛生管理を行い、特に猫の体を口で吸うような行為は避けましょう。
まとめ
「猫吸い」という言葉は、日本のSNS上では文字通りには猫の体を吸う行為を指します。しかし実際にはこの行為は行わず、冗談やユーモラスな表現として使われている場合もあります。
猫の毛を「吸いたくなるほど愛おしい」という意味で、猫に対する深い愛情や執着を表す際に用いられます。
ただ、実際に吸っている方も少なくはありません。
猫の体を吸う行為は猫にとっても人間にとっても健康上のリスクがあります。上記で説明したように猫の毛や皮膚には細菌が含まれている可能性があり、これらを吸い込むことはアレルギー反応や感染症のリスクを高める可能性があります。
また、猫にとっても不快でストレスの原因となる場合があります。
「猫吸い」という言葉は猫への愛情を表現する際の比喩的な表現として使用し、実際の行為としては行われるべきではないことを理解することが重要です。